木造住宅寿命が25〜30年と言われている一方、築後100年以上経過した住宅でも、今なお家人が居住しているものもあります。
この点から言えば「昔の住宅は今の住宅よりも長持ちする」と言えるのかも知れません。
しかし、昔の住宅すべてが長寿命だというわけではないのです。
現存する長寿命住宅を詳しく調べてみると、良質の構造材が適材適所に用いられ、断面の大きい構造材が使用されていることに気付かされます。
それらを建てた当時の建て主は江戸時代にあっては武士や豪商、農村では地主層、明治以降でも当時のいわゆる富裕階級の人達ばかりで、その頃の日本の階層別人口構成を見てもその人達の割合は一割にも達していなかったことがわかります。
築後100年以上経過した住宅が残っているのは、昔の住宅が丈夫だったからではなく、良質の構造材を適材適所に用い、断面の大きい構造材を使用した上質な住宅だけが残っているというわけです。
「昔は構造材に建築費の20〜30%が投じられていた。今では注文住宅でも10%以下、ひどいケースでは5%以下のものもある」と代々続く木材商は言います。
現在でも資産として残っている建築物は構造材にこそ力と予算が注がれていたということがおわかりいただけると思います。
住宅本体よりも寿命の短い設備機器や表面的な部分に多くのお金が投じられているケースが多いこと、またコスト削減ばかりを考えた住宅では、歴史が物語っているように残念ながら長寿命住宅にはなりそうにありません。
住宅建築、維持管理には多額の費用がかかるだけに、長持ちする構造材を使用し、長期間にわたって循環利用できる上質な住宅を作ってこそ、建替えコスト削減等による真の住居費負担が軽減されるものです。
個人の財産として住宅の価値を長期間維持することが持続可能な社会を実現し、地球環境への負荷を低減させることにつながることは言うまでもありません。
次の世代、そのまた次の世代、いや何代にも渡って住み継がれる資産価値の高い住宅をこれからの時代に備え、今建てておくことをお考えになりませんか?
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